画期的な新規技術が生まれた場合には、レギュレーション側はそれを有効活用するためのルールを整備しなくては、新規技術によるイノベーションはもたらされない。S-FAIR研究会では、ルール組成のために必要なファンディングの在り方と、ルール作りのために必要なプロセス、それをだれが何をするべきなのか、という問題をメインテーマとしている。UT-Heartをはじめとする生体シミュレーション技術は、今後の医薬品の非臨床試験、臨床試験、臨床にイノベーションをもたらすと期待されている。シミュレーションによる医薬品の安全性評価技術はUT-Heartの応用例のうちの一つであり、論文発表され、医薬品の評価に応用可能性が注目されているが、現時点においてICHのSafetyガイドラインに組み込まれるためには、その意義を明確にしていく必要がある。そのために具体的にはどのような対策が必要か(必要であったか)?。今回はUT-Heartを事例として取り上げ、「どのような検証を行えば、その予測性の精度を検証できるのか?」、「製薬企業がこの技術を使って実際に安全性評価に利用するために何が今不十分なのであろうか?」、「それを実現するためにはレギュレーターはどのようなタイミングでどのような検討を開始するべきか」、また、「ステークホルダーを誰がどう集めてバリデーションを進めていくべきなのか」、「イノベーションのエコシステムとの関連をどう捉えるか」、「生体シミュレーション技術全般に対しては何が示唆されるか」などについて議論していく予定です。
日時:2018年12月20日(木) 17:30-19:30テーマ | プレゼンター | 所属 | |
17:30- | S-FAIR研究会について | 加納 信吾 | 東大新領域 メディカル情報生命専攻 准教授 |
17:35- | テーマ設定の趣旨(座長より) | 関野 祐子 | 東大大学院薬学系 特任教授 |
17:40- | UT-Heartの技術と応用分野 | 久田 俊明 | 株式会社UT-Heart研究所 代表取締役会長 |
18:10- | 臨床試験におけるQT延長評価とインシリコの導入への課題 | 澤田 光平 | 東大大学院薬学系研究科ヒト細胞創薬学講座 特任教授 |
18:25- | ボストンのヘルスケアエコシステムはなぜ成功したのか | 竹谷 誠 | 理化学研究所 健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム リサーチコンプレックス戦略室室長 兼 イノベーション事業本部ベンチャー支援部部長 |
18:40- | フリーディスカッション |
事務局: sfair[at]bioip-lab.org
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
メディカル情報生命専攻
医療イノベーションコース
バイオイノベーション政策分野内